ペットと長く幸せに暮らすために、知っておきたいポイントをお伝えします。
チワワを迎えたいと考えたとき、「吠えすぎるかな」「小さすぎてケガや病気が心配」といった不安を感じる方も多いと思います。 確かに、可愛さだけではなく、小型犬特有のケアも必要です。今回は私、獣医師ミサが多くの経験と実体験をもとに、安心して長く一緒に暮らせるためのヒントをお伝えします。

チワワは世界中で親しまれる超小型犬です。体重は1.5〜3kg、体高は15〜22cm程度です。毛質には長毛（ロングコート）と短毛（スムース）があり、それぞれのお手入れや換毛期の管理も必要です。歴史はメキシコを原産地とし、警戒心が強く慎重な性格もこの小さな体格に育まれています。

愛情深く、飼い主に忠実な性格です。警戒心が強いため、社会化やしつけを早めに行えば、他の犬や人にも上手に対応します。遊び好きで活発な面もあります。スキンシップや声かけを大切にできる人、愛情をもって育てられる方にぴったりです。逆に、長時間留守にしがちな環境や放置はストレスの原因になりやすいです。

■チワワの平均寿命

チワワの平均寿命は 約13〜14歳 が一般的とされています。
中には 17〜19歳、あるいはそれ以上長生きする子もおり、適切なケアが寿命延伸の鍵です。

■チワワが気をつけたい主な病気・リスク

• ●心臓病（特に僧帽弁閉鎖不全症）：高齢になると発症しやすく、初期には目立った症状がないことも多いので定期的なチェックが大切。
• ●膝蓋骨脱臼（パテラ）：小型犬に多く、歩き方に異常があれば早めに獣医師に相談しましょう。
• ●気管虚脱：呼吸器のトラブルも起こりやすいので、過度な興奮や暑さ、圧迫がある環境に注意。
• ●泌尿器疾患・腎臓の問題：年をとるにつれてリスクが上がります。飲水量、排尿の回数、尿の色などに注意をしてください。
• ●こまめなデンタルケア（歯の疾病）：小さな口で歯が重なったり過密なことがあり、歯石・歯周病になりやすいです。
• ●目のトラブル & 涙やけ：鼻涙管の狭さなどで涙が流れやすく、放っておくと常習化・皮膚炎などにつながります。

私の実体験でも、呼吸がおかしいと気づいてすぐに検査をしたことで、「拡張型心筋症」と診断された高齢の子が、適切な治療とケアにより、長く穏やかに過ごせている例があります。早期発見のキーポイントは、ちょっとした異変に気づくこと。例えば、呼吸の乱れや咳、食欲不振、ふらつきなどに注意してください。

■長生きさせるためのポイント：

• ●バランスの良い食事と適正体重維持
• ●毎日の適度な運動とストレスをためない環境づくり
• ●定期的な歯のケアと口腔内の健康管理
• ●定期的な健康診断と血液検査

特に心臓病は、早期発見と治療が寿命を延ばします。

愛犬がいつも安心して過ごせるためには、日々のちょっとしたケアと環境づくりがとても大切です。例として、寒い季節は暖かい場所や毛布を用意し、寒さから守ってあげてください。夏は暑さ対策をして、涼しい場所や風通しの良い場所を確保しましょう。

お散歩は毎日少しずつ続けて、適度な運動をさせてあげてください。ただし、気候や体調に合わせて時間や距離を調整しましょう。

室内も安全第一です。滑りにくい床や、届く場所に危険なものを置かない工夫をおすすめします。

しつけは、愛情を持って優しく続けることが大切です。褒めて伸ばし、「良い子だね」と声をかけながら育てましょう。環境の変化や大きな音、孤独はストレスの原因になるため、安心できるスペースを作りましょう。お散歩や遊びも毎日続けて、心と体のリラックスを促します。

また、安心できる時間や場所をつくることもストレス軽減に役立ちます。気持ちが落ち着く環境を心がけてください。

何よりも大切なのは、毎日たくさんスキンシップをし、優しい声を掛けて、一緒に遊ぶことです。そうすることで、安心感と信頼感が深まり、長く健康に過ごせます。時間に余裕があれば、撫でたり抱っこしたりして愛情を伝えてください。それだけで、愛犬も心から幸せな気持ちになれます。安心できる環境をつくることが、長生きの秘訣です。
また、適度な生活リズムや安定した環境も心がけ、やさしい気持ちで接してあげることが、あなたとペットの絆を深めるポイントです。

小さな体だけれど、その分だけ深い愛情が伝わるのがチワワの魅力です。日々のちょっとした気配りやケアを続けていけば、きっと長く健康に、幸せに暮らせるはずです。
いつでも優しい気持ちを忘れずに、あなたと大切なペットがこれからもずっと笑顔でいられますように。